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「配偶者居住権」とは

2018.09.10

今回は「相続時の配偶者居住権」についてご説明いたします。


■相続時の配偶者を守る!?「配偶者居住権」をご存知ですか?

夫が亡くなり、相続人が妻と子。法定相続は2分の1ずつ、遺言なしとするとこの二人で遺産分 割協議がスター卜します。遺産は夫婦の自宅1,000万円と預金1,000万円。妻は「自宅に住み続 けたい」、子は「では自宅分1,000万円どうぞ、私は預金1,000万円もらいます」と主張します 。妻は生活費も必要ですから自宅だけでは困ります。妻「生活のための預金も欲しい」子「では 預金1,000万円相続して、自宅を出てアパー卜で暮らして下さい。私はその自宅1,000万円もら います」妻「・・・。」
家族ですからこんな冷たいやり取りにはならないかとは思いますが、今までは配偶者が居住用 建物を取得すると他の財産は受け取れなくなってしまう問題がありました。また相続で一度揉め てしまうと「争続」になり、家族はやがて「争族」になってしまうかもしれません・・・。
そこで、相続法の改正で「配偶者居住権」が定められました。配偶者(妻)が亡くなるまで終身その自宅に住み続けることができる権利です。
「被相続人(夫)の配偶者(妻)は、被相続人の建物に居住していた場合において、その居住していた建物の全部について終身または一定期間、無償で使用及び収益をする権利(配偶者居住権)を取得する」というものです。遺産分割時の選択肢の一つとして、また被相続人の遺言によって配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになりました。これにより配偶者が自宅に居住しながら、他の財産も取得できるようになったのです。
ただ下図(右側)をご参照いただきたいのですが、妻が配偶者居住権を1,000万円分受け取ると、子には「負担付所有権」1,000万円が相続されます。親子仲良ければ良いのですが、子にとっては、妻が住み続けている問、無収入で自分ではどうにもできない負担付所有権が付いてくるという問題も発生してきます。

メリッ卜もあります。「妻が生存中は自宅は妻に、妻が亡くなれば自宅は子が相続」という、所 謂「跡継ぎ遺贈」が配偶者居住権を使うことで実質可能になってくるのはメリッ卜になります。

次回はこの制度のもう少し掘り下げた内容をお伝えいたします。