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減価償却費とその活用法

2017.07.05

 「相続した空き家を活用する」「転勤のため自宅を賃貸することにした」家賃収入は入ってきますが、家賃は不動産所得として利益が増えれば、税金がかかります。それでは、利益を減らすためにはどうすればよいのでしょうか?
 この利益を減らすための秘訣こそが、減価償却費の活用です。

 減価償却費というのは、簡単にいうと”モノの劣化代”です。税金の世界では、この“モノの劣化代”を経費として認めてくれます。そしてこの減価償却費には、毎年お金が出ていかないのに、税金上は経費として認めてくれるという特徴があります。空き家を活用して賃貸する場合、家賃収入は入っても税務上の利益が少なくなれば、税金が少なくなり、結果税引き後のキャッシュフローが多く残ります。
 これまで自ら使用していたマイホームを賃貸した場合には、購入時における建物の取得価額から、一定の減価償却をしなければなりません。取得価額から差し引く金額は、減価償却制度の改正により、取得した年に応じて次のようになります。

〔平成19年3月31日以前に取得したマイホームの場合〕
 当初の取得価額×0.9×旧定額法の償却率×経過年数

〔平成19年4月1日以降に取得したマイホームの場合〕
 当初の取得価額×定額法の償却率×経過年数

 経過年数に端数がある時には、6か月以上であれば1年に切り上げ、6か月未満であれば切り捨てて計算をします。なお、自らの居住用(マイホーム)で使用していた建物の場合における償却率は、法定耐用年数の1.5倍の年数に応じた数値を適用することになっています。
そのため、上の計算式に当てはめる償却率は(新旧とも)木造住宅の場合が0.031、鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造住宅の場合が0.015となります。

 平成8年に取得をした築年数20年のマイホームを、平成28年1月に賃貸用に転用した場合の減価償却費を計算してみます。新築時の建物取得金額が2,000万円。居住用は非事業用の1.5倍の33年(定額法償却率0.031)を耐用年数として償却費を計算すると1,116万円が累計償却済みの額。転用時点の未償却残高は新築時取得額2,000万円から累計償却済み額を差し引いた884万円となります。
賃貸に転用する場合の事業用の償却期間は22年(定額法償却率0.046)で償却率を計算しますので、年間減価償却費で計上できる額は、年間82.8万円。未償却残高が残っているため経費で計上することできます。