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賃貸経営に関する改正法をピックアップ!

2017.08.10

 お金の貸し借りや物の売買といった債権分野(契約に関するルール)を大幅に見直す改正民法は5月26日、衆院本会議で賛成多数で可決、成立しました。法案の周知を図って2020年ごろの施行と言われています。約200項目の見直しが盛り込まれており、明治29年以来120年ぶりの抜本改正が行われました。

 今回は賃貸不動産経営に関する改正内容をピックアップしてお伝えします。

1.連帯保証人に対する規制の変更
改正法では「連帯保証人が個人である場合に、「極度額」を書面で合意しないと連帯保証契約は無効になる」 ということになっています。現在の賃貸借契約では、ほとんどの契約が極度額を決めていませんので、連帯保証契約は無効になってしまう恐れがあります。民法改正の時期はまだ確定していませんが、今後は賃貸借契約に連帯保証人の極度額を記載する形が増えていく のは間違いありません。ただ、極度額を明示すると、連帯保証人を嫌がる方も増えることが予想され、保証会社の利用が増える可能性があります。

2.原状回復義務が明記され、通常損耗は含まれないようになる
改正法は賃貸借の終了時に家主は敷金から未払い賃料などを差し引いた額を返金しなければならないと明記されます。借主は原状回復の義務を負うが、通常の生活で生じた傷や経年劣化については修繕費を負担する義務はないとしています。例えば、冷蔵庫裏面のクロスがやけるなどの普通に使っていて汚れるようないわゆる通常損耗については、経年劣化で貸主負担です。しかし、冷蔵庫下の水漏れ放置による床の損傷等は借主負担です。

3.賃貸人が修繕しない場合に、賃借人に修繕権があることが明文化

賃借している物件の修繕について、今までの民法では賃貸人に修繕義務があることが明示されているだけでした。改正後の民法では、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、または賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときや急迫の事情があるときには、修繕をする権利があることが明文化されました。これは借主に有利な変更ですので、逆に貸主側が注意したい変更です。

4.賃借物の一部滅失その他の使用収益の不能は賃料の減額請求ではなく当然減額となる
現行の民法では、お部屋が一部使えない場合に、賃料減額請求ができるという定めでしたが、改正民法では、「当然減額される」という内容に変更になります。
例えば、「地震でエレベーターが壊れてしまい、1週間使えない。しかし、お部屋は15階にあるため、とても階段では上り下りができない」となると、その分の賃料を減額することが当然に認めることになります。また、先ほどのエレベーターの事例のように滅失とまではいかなくとも、お部屋が使えない(使用収益ができない)事例も、減額の対象になります。猛暑でエアコンが壊れたが、エアコン修理業者の手配が混んでいて、修繕するまでに時間がかかった場合なども対象になるといわれており、影響は大きくなることが予想されます。
以上が、民法改正で賃貸借契約に影響がでそうな内容のまとめとなります。民法改正案の詳細に関しては⇒「民法の一部を改正する法律案(法務省)」のHPで確認頂けます。