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1つの部屋に家賃が4つ!?「家賃四価」対策とは

2017.09.12

 

空室過剰市場を生き抜く「賃貸経営法」
1つの部屋に家賃が4つ!?「家賃四価」対策とは!

 今年の3月に平成28年度の住宅市場動向調査報告が発表になりました。この調査は平成27年度中に、民間賃貸住宅(個人や民間企業が賃貸する目的で建築した住宅で、社宅などの給与住宅、公的住宅、学生アパートを除く)に入居した世帯の状況等について把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的として国土交通省が毎年実施しています。

 民間賃貸住宅入居世帯における選択理由(複数回答)は、「家賃が適切だったから」が55.7%で最も多く、次いで「住宅の立地環境が良かったから」が 47.7%、「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」が 34.0%で続きます。
 入居した民間賃貸住宅の建築時期は「平成27年以降」、「平成17年~平成26年」、「平成7年~平成16年」、「昭和60年~平成6年」がいずれも2割程度。平均築後年数は17.2年。住み替え前の住宅の種類は「民間賃貸住宅」からの住み替えが 49.1%で最も多く、次いで「親・兄弟姉妹など親族の住宅」からの住み替えが24.5%という結果になっています。つまり古い物件だから決まらないわけではないということ。住み替えが約50%近いということは、賃貸住宅に住んだ経験もあり選択のための知識や情報をもっているユーザーも多いということがわかります。選択理由で第三位の「立地環境」は既存物件にはどうにもならない部分と言えますから、残された「適正な家賃」「良好な物件(デザイン・設備)」対策がいかに大切かについて家賃四価の視点からお伝えします。
 通常は1つのものにつけられる値段は1種類(一物一価)が原則ですが、家賃には異なる4つの価格があり、これを「家賃四価」と船井総研では呼んでいます。
 家賃の価格1つめは「相場家賃」で、周辺のアパート・マンションの現在空室で募集している家賃の平均で、新規募集家賃を検討する際の比較材料となりますが、全て空いているという家賃の相場という価格です。2つめが「適正家賃」で、2ヶ月で決まる家賃を指しています。相場家賃のおよそ95~90%程度です。 どうしても相場の家賃で決めたい募集戦略の場合はプラスアルファの設備の設置やフリーレントなどの条件変更が必要になります。3つめが「再生家賃」。現状の家賃の2~3年分の設備投資をすることで再設定可能な家賃です。適正家賃のおよそ120%が1つの目安です。あくまで相場家賃の120%でありませんので注意が必要です。最後の4つめの価格が最終的に契約が決定した「成約家賃」。家賃の価格は1つではありません。もちろん物件の個別事情によっても異なります。

 目指すは「コストパフォーマンスに優れている物件」をつくること。具体的に言うと、一般的には相場よりも若干安めで「お得感」のある物件から決まっていきます。次にお得物件が少なくなると相場の物件の中で何か目立つものがある物件が決まります。逆に言えば相場よりも高い物件や相場の範囲内だが目立つ特徴のない物件はなかなか決まらないという事になっています。「家賃」は賃貸経営にとって臨機応変な対応が可能な唯一かつ最大の武器です!募集戦略によってうまく使い分け、更新時に家賃アップも検討する時代になっていきます。