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底地・借地事例のご紹介【朽廃における賃借権譲渡許可】

借地上の建物が朽廃に近い状態にあり(朽廃すれば借地権は消滅する可能性が高い)、その借地人が第三者に賃借権を譲渡したいと承諾を求めてきました。貸主が譲渡の承諾を出さない場合、借地人が裁判所に承諾に変わる許可を申し立てたら、許可は下りるのでしょうか?


本件では結論として裁判所は貸し主の承諾に代わる許可を出しませんでした。原則、借地借家法では、賃借権の譲渡について、貸主の承諾が得られない場合、裁判所において承諾に変わる許可を与えることができると規定されています。

しかし、その承諾に代わる許可にあたっては、「賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない」とされています。

本件では、建物が短期間のうちに朽廃し、借地権が消滅するであろうことを考慮し、仮に譲渡を許可したとしても、譲受人(買主)がそのまま建物を利用することは困難であるため、許可を出さなかったと見られます。(東京高判平5.11.5判タ842.197)

ただし、今回争点にもなったのは建物が「朽廃」しているとみなすかどうかという点で、建物の朽廃は、借地権消滅という重大な効果を伴うものであるため、非常に厳格に判断されています。第一審では老朽化は認めたものの朽廃とは認定していなかったのに対して、高裁では朽廃と認定しており、この事実認定は事案ごとに異なるため、様々な事例を勘案して判断する必要があります。

※本記事はあくまでも事例・判例等からのご紹介となります。事案毎に異なりますので個別にご相談ください。