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底地・借地事例のご紹介【賃借件の一部譲渡許可について】

2019.08.09

借地人が借地権上に建物1及び建物2を所有しています。借地人がこのうち一棟を借地の一部とともに第三者に売却しましたが、その部分を売られると残りの借地権は間口1.8mしか残らないことになり、私(地主)は将来のことも考え、承諾をしませんでした。この場合、借地人が裁判所に承諾に代わる許可を申し立てた場合、許可は下りるのでしょうか?


本件では、結論として借地権の一部譲渡が貸主に著しい不利益を与える場合、旧借地法9条ノ2第2項により借地人の申立ては棄却すべきであるとしました。

借地権の一部譲渡は貸主(地主)に負担が大きいことになりますが、借地の有効利用の観点等からすべてが不適法になるとはされていません。しかし、細分化され、譲渡された借地権は、個々の貸主との契約が成立することとなり、煩雑で細分化されることで将来一部の借地の返還を受けても、その形状等から有効利用できない場合もあると思われます。このような場合には、貸主の負担が非常に大きく、貸主の不利益の程度として財産上の給付では解決できないものであって、譲渡を認めるべきではないという判決です。

(東京地決昭45・9・11判タ257・267)

本件ではこの賃借権の一部譲渡を認めると、残借地において建築基準法上適法な増改築が不可能になるほか、土地の効用が著しく減殺され独立した交換価値を失うということから、譲渡が認められませんでした。

※本記事はあくまでも事例・判例等からのご紹介となります。事案毎に異なりますので個別にご相談ください。