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賃貸経営【賃貸物件のゴミ問題に関するQ&A①】

入居者から賃貸管理会社、またはオーナー様に問い合わせがある内容で、最も多いと言われているのがゴミに関する問題です。実際に入居者のゴミ問題に悩まされているオーナー様も多いのではないでしょうか?今回もご自身に当てはめて考えてみてください。


【Q】
有しているアパートの入居者がゴミの分別を怠るため、業者がそのゴミを回収してくれません。結果的にわたし自身がゴミを分別しなければならないので、かなり億劫です。分別作業を行っているのでゴミの中身から、対象者は特定できています。この場合、罰金を科したり、改善が見られない場合は退去してもらうことなど、法的には可能なのでしょうか?
また、先日引っ越していった入居者が、粗大ゴミシールを貼ることなく、ゴミ置き場にベッドを放置していきました。これはわたしが自腹で処分しなくてはならないのでしょうか…?もちろん、引っ越した入居者には連絡がつきません…
【A】
ゴミ分別については金銭請求の余地はありますが費用倒れのリスクがあります。
明渡しの見込みは不可能ではなくとも低いと思われます。
入居者が私生活の住居として使用している、もしくは使用していた場合、そこから搬出されるゴミは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」といいます。)に従えば、「一般廃棄物」として分類されます。そして、常識的ではありますが、廃棄物処理法は、今回の入居者のような建物の占有者に対してゴミの分別をする義務を課しています(同法第6条の2第4項など。)。
本来入居者がすべきゴミの分別や処分について入居者がこれを怠り、賃貸人のような無関係の人物がこれを行った場合の法律関係ですが、法的には事務管理が成立し、支出した費用を本人に請求できる見込みがあります。ただ、これは理屈上の話でして、実際に請求する場合の裁判コスト等を加味すると多くの場合は割に合わないでしょう。このような場合に備えるためには、最近は見かけなくなりましたが、敷金を利用したり、毎月の家賃や共益費にある程度の金額を織り込んでおいたり、あらかじめ契約に違約金条項を設ける方法などが考えられます。
次に、分別を怠ったことで明渡しを求めることができるかどうかですが、明渡しを求めるためには、解除手続等により賃貸借契約が終了していなければならず、判例上は信頼関係に破壊があったかどうかという判断基準により判断されます。多くの賃貸借契約書中にはゴミの分別に関する義務の条項は記載がないか、又は中心的な条項ではないでしょう。賃貸借契約の中心的な権利義務は、賃料の支払と物件の使用収益ですから、ゴミの分別違反を理由に、信頼関係の破壊を基礎づけるためには、ゴミの分別を怠った回数や程度、態様から周辺環境への影響の度合い、注意の有無等を、総合的に検討していく必要があるものと見込まれます。