オーナー向け情報

賃貸経営【賃貸物件のゴミ問題に関するQ&A②】


今回も前号に続き、賃貸物件のゴミ問題に関するトラブルについて、お伝えいたします。近年社会問題になりつつあるゴミ屋敷問題について、あるオーナーさんから相談をいただきました。


【Q】
入居者のAさんから「窓を開けると異臭がする。」と連絡があったため、実際に現地に行って調べてみると、原因は隣の部屋であることがわかりました。いわゆるゴミ屋敷化していました。その後対象の部屋の住民に対して、再三注意してきましたが、改善は見られず、結局そのAさんは、そのことが原因で退去されてしまいました。
このような場合は、ゴミ屋敷の入居者から損害金を徴収する、または強制退去などの対応は法的に認められますでしょうか?
【A】
いずれも認められる場合があります。
隣人の転居に伴う、賃料収益の補填という意味での損害金の徴収は困難が伴うかと思われますが、建物明渡請求については一定程度の見込みがあるものと思われます。
いずれの請求においても、重要なポイントはゴミ屋敷状態(悪臭)に関する立証です。これは問題となっている居室の賃借人が、一般的な受忍限度を超えた用法で物件を利用していることを、裁判官に納得させなければならないというものです。
次に、賃料収益の補填の場面では、前入居者がゴミ屋敷状態(悪臭)を原因に転居した(それ以外の理由ではない)ということと、転居したことによって得られるはずだった賃料収益の金額に関する立証が求められます。転居された方は本件に関わりたくない(巻き込まれたくない)と感じるのが多いため、この辺りの立証に困難が生じることが予測されます。もっとも原状回復費用として別途金銭請求を行える余地があります。
他方で、強制退去(建物明渡請求)については、賃貸借契約上の用法違反を起点に、信頼関係が破壊されたといえるかどうかという問題として処理されます。再三の注意があったとのことなので、賃借人側に改善の見込み無しとして、債務不履行解除が認められる可能性が考えられるところです。