前回は、バランスシートの作り方をお伝えしました。今回は、バランスシートがどのように変化していくのか、ご自身の資産が増えていくかどうか、想定する方法についてお伝えします。実際にご自身の資産がどうなるのか、一緒に想定してみましょう。
今回は、簡易バランスシートをもとに、将来資産が増える形になっているのかどうかを簡易的に推測する方法をお伝えします。大きく、見ていただくとよい部分は3つです。
①'金融資産
現預金、有価証券などの資産です。現預金については毎年の経営のキャッシュフローがどれだけ残るかを想定します。黒字の経営が続けばよいのですが、当然赤字の経営が続けば減っていきます。有価証券も同様です。
②'不動産資産
将来、どれくらいの価値になるかを予測します。ここは判断が難しいポイントですが、賃貸用不動産については少しづつ家賃が減少すると想定し、毎年1%程度賃料が下がる(同様に価値も1%程度下がる)ものとしてみてください。また、築年数・構造によって、地域で売却相場というのも推測できます。ここから逆算した相場での価値を想定します。
③'負債 将来、借入の残高がどれくらいになるかを想定しましょう。これは金融機関から送付される残高証明や償還表などで確認してみてください。
将来の価値を想定するのはなかなか難しい部分もありますが、①'は過去の経営の傾向と現状のキャッシュフローから、②'については不動産会社に問い合わせればある程度分かる内容です。こうして将来のバランスシートを想定してみたときに、将来の純資産(資本の部⑦)がわかります。前回作成した簡易バランスシートの数字(現在の数字)から、将来の純資産が増えていれば、ひとまず良い傾向といえそうです。逆に減っている状態だったり、ご自身が思うほど増えていない、という状態だと何か対策を打つ必要があります。将来の事業承継にも影響が出てきます。次回は、上級編、資産の対策についてお伝えしていきます。