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相続対策の3つの柱

2021.03.10

相続対策と聞くと、多くの方が「節税対策」を最初に思いうかげるのではないでしょうか。しかし、本来すべき対策は節税だけではありません。相続対策には大きく分けて「遺産分割対策」・「納税資金対策」・「節税対策」の3つの柱があります。まず優先したいのは、「遺産分割対策」です。相続が発生すると最初に起こる問題が、亡くなった方の財産をどのように分けるのかということです。遺産争いは、財産の多少にかかわらず起こる問題で、相続人が複数いる場合や、積もり積もった兄弟姉妹の不平等感や故人への思い入れ等、相続人の感情が絡むため、複雑化しやすく、気づいたら「争続」になってしまったということもあります。相続人のそれぞれの生活状況やこれまでの関わり方などを配慮しながらも、親の意思をはっきりと示す遺言や家族会議等で、事前に準備しておくことが、「遺産分割対策」として重要です。
また、相続税には税額を軽減できる特例(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など)がありますが、これらは原則、遺産分割が確定していないと適用を受けることは出来ません。こうした点からも、まず優先すべき対策は「遺産分割対策」だといえます。

次に考慮すべきなのが「納税資金対策」です。遺産分割の話し合いと並行して、故人の所得税や相続税の申告が必要かどうか、どのように納税するかを検討しなければなりません。納税額が相続する現預金からまかなえるのであれば良いのですが、足りない場合、相続人自身の預貯金から捻出するか、故人の資産である不動産を売却して納税に充てるのかを判断しなければなりません。
とくに財産の内訳が不動産に偏っている場合は注意が必要です。相続税は現金一括納付が原則ですので、納税資金を現金で準備できない可能性があるのであれば、生命保険を活用する、事前に不動産を処分する、処分しやすい不動産を所有しておくなど、納税資金をどのように確保するかを事前に考えておくことが賢明です。

遺産分割対策や納税資金対策を講じたうえで、もし納税する必要があるのであれば、その税金を安く抑える方法がないのかを検討するのが、「節税対策」です。

相続対策は、この先に必ず起こる「万が一」に備えて行うものですので、万が一が起こる間には当然、税制改正や景気変動なども起こり得ます。こういった不確定要素を含む以上、現段階で節税に重きを置いた対策を完璧に行うことは不可能といえます。また、節税対策に偏ると、遺産分割対策がおろそかになるといったように、2つの対策は相反する場合も多いものです。
つまり、相続対策は、円満な遺産分割を行うことを最優先して、遺産分割対策を考えたうえで、納税資金対策を行い、最後に節税対策を検討するのがポイントです。

そして、これらを踏まえたうえでさらに検討していただきたいことが、「介護・認知症対策」です。
せっかく相続対策を行ったとしても、相続が発生する前に認知症になり、意思能力がないと判断されてしまうと、資産が実質上凍結されてしまい、不動産の売却や建築、賃貸借契約、生命保険の加入といった法律行為全般ができなくなります。
こうした状態を支援するための制度として、「後見制度」がありますが、この制度は「本人の保護」を最優先に考えるため、節税対策としてアパートの建築などを行おうとしても、財産を積極的に運用する投資的な支出は原則認められません。そのため、財産が塩漬け状態になり、相続対策を講じることがほとんど不可能になってしまいます。

このような問題を避けるためにも、相続対策は、被相続人の方が元気なうちにしておくべきものになります。

相続対策は誰に相談すればよい?

相続対策は、士業をはじめとして、金融機関や建築業者、不動産業者、保険業者など様々な業種で様々なサービスや商品がありますが、そのほとんどが、業種のカテゴリーに偏ったものになりがちです。各業者から提案される対策には、長所と短所があるため、それらを理解したうえでご自身に合った対策を実行していく必要があります。そのためには、各対策のリスクとコストを見極める知識を身につけるか、そのような知識を有した中立的な立場の専門家に相談していくことが必要です。

この中立的な立場の専門家を選ぶ基準としてのポイントは、「不動産に強い」ことです。
なぜなら、相続税を計算するためには、所有している財産がどのくらいになるのかを金額に換算する(評価する)ことが必要ですが、現金は額面通り評価できますが、不動産の評価は土地の形や使用方法によって評価が大きく変わり、価格を適正に導くことがとても難しく、相続財産で最大のウエイトを占めるのが不動産であり、その評価いかんで税額が大きく変わってしまうのが、最も厄介な点だからです。
もし、不動産知識の乏しい方が不動産の評価を行い、相続税額を高く算出されてしまった場合、納税資金が足りないからといって、本来売らなくてもよい不動産を売却してしまったり、節税を目的として賃貸マンションなどの建築を提案され実際に建てても、賃貸経営がうまくいかないといったことが起こるかもしれません。
このようなリスクを避けるために、資産の多くが不動産の方は特に、正確な評価額を確認した現状把握と現状分析が欠かせません。

対策プランの設計

現状の資産は悪と相続税額が把握できたあとは、理想の承継ビジョンをもとに対策プランを設計していきますが、現状からみたときにその理想のビジョンを実現することができるのかどうかを、相続対策の3つの柱である「遺産分割対策」・「納税資金対策」・「節税対策」に基づき、遺産分割の内容は相続人にとって公平なのか、納税資金は十分に確保できているのか、さらなる節税対策はとれないのかを偏りなくみていく必要があります。

ここまでの準備を行ってから、具体的な対策案となる「遺言」や「生前贈与」、「保険活用」、「不動産活用」、「資産組替」、「養子縁組」などを組み合わせて最適なプランを作成し実行していきます。
このプランを実行すると、「これで対策は完璧」と安心される方もいらっしゃるかと思いますが、税制改正は毎年のように行われており、今までは有効とされていた対策が、いざ相続が発生したときに意味をなさなくなるということも考えられますので、実行している対策プランを定期的に見直しを行い、現状把握を行いながら、都度、最適化させていくことが必要です。

ミノラス不動産の相続承継サポート

ミノラス不動産では、皆様の大切な資産を次の世代へ「守る」×「増やす」×「つなぐ」ために、ROA診断という相続税額と不動産資産の収益率を数字で分析し、問題や課題の把握を行ったうえで、「遺産分割対策」・「納税資金対策」・「節税対策」を行っております。
オーナー様の多くが、お付き合いのある士業の方や、金融機関等から相続税額の評価や対策などを受けていらっしゃると思います。その対策が本当に最善で最適な対策なのかどうかを第三者の中立的立場から判断することもできますので、お気軽にご相談くださいませ。